夏に不足しがちな栄養素

真常識

日本人のヘルスリテラシー欧米(特に米国と英国)では、サプリというと基本はベースサプリメントです。
日本でよくテレビなどでみかける健康食品のCMは(青汁、ローヤルゼリー、コンドロイチン、グルコサミン、セサミン…などなど)、公共の電波でもあまりみかけないようですし、そもそも人気もないようです。

なぜか? ごく少数のマニアックなファンはいるようですが、ほぼ効果がないことが周知されているからだと推測します。この現象1つとってみても、日本人のヘルスリテラシーの低さが垣間見れます。

日本人はヘルスリテラシーが低いのか・・・

で…、最近はよく、「夏におすすめのサプリは?」って質問があるんですが、この質問は…
「いつものまないけれども、夏だから特別にのんでおいたほうがいいサプリ(健康食品)があるのか?」という意味の質問なのでしょうが…、答えは「NO」です。

「ちゃんとセルフ治療をやっていれば、新たに何かを加える必要はないですよ、ただ、夏には、少し多めに摂っておいたほうがいい栄養素があるので、そこを押さえながら、いつもよりもしっかりと栄養保険をかけておけばいいですよ」と答えています。

夏は、暑さ、湿度、紫外線などのストレスが他の季節に比べて大きいので、皮膚や免疫細胞へのダメージも大きく、また食欲低下にともなう栄養素不足にも陥りやすい季節なんです。
それを踏まえて、ベースサプリメントを少し多めに摂取しておけばいいという理屈になります。

夏対策にも「セルフ治療」&「ベースサプリ」!

特に、多めに摂取しておいたほうがいい栄養素を、理由をまじえておさえておきましょう。

まずは、次の4つ栄養素、夏に不足しがちです。
ビタミンB群、ビタミンC、ミネラル、たんぱく質、これは昔から、よく言われていますので、半ば常識ですね。理由も何となくイメージできると思いますが…

ビタミンB群

暑さによって代謝が活発になり(気温が高くなるほどに代謝は活発になる)、ビタミンB群が多く消費されます。ビタミンB群は、糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素が分解されてTCA回路(クエン酸回路)に入るまでの代謝経路と、TCA回路そのものの代謝に不可欠です。つまりエネルギー産生に不可欠なのです。B群どのビタミンが欠けても僕たちの生命(健康)は維持できませんし、どのビタミンが不足しても健康を損ねることになります。
参照:(テキストBOOK『セルフ治療』の時代 / P39-40)

ビタミンB群が不足すると、当然のことながら代謝が低下し、「力が出ない!」となり、疲れやすくなります。つまりこれが夏バテの1つの大きな要因なんです。

ビタミンC

ふだんから不足しやすい栄養素の1つですが、夏は汗と一緒に排出されやすく、また、紫外線による酸化ストレスで大量に消費されてしまうので、常に枯渇状態なんです。ビタミンCが長期的に不足すると肌荒れはもちろん免疫力も低下しますので、夏こそしっかり補っておきたいです。
ただ水溶性のビタミンCだけでは体内に留まる時間が限られてしまうので、補うには脂溶性のビタミンCが恰好です。(そのためというわけでもないですがeクリニックでは脂溶性のビタミンCもあえて作っています)。ぜひ脂溶性ビタミンCを補っておきましょう。
ビタミンCはコラーゲン合成やメラニン抑制にも関与しているので、お肌のメンテナンスのためにも、長期の枯渇状態は避けたいですね。
参照:(テキストBOOK『セルフ治療』の時代 / P41)

ミネラル 特にマグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)

水溶性のビタミンと同じように、ミネラルも汗とともに失われやすく…、マグネシウムが不足すると、筋肉のけいれん(こむらかえり)や脱力が、亜鉛が不足すると、肌荒れ、味覚の低下、免疫力の低下が懸念されます。夏は特によく汗をかくので、しっかりと確保しておきたい栄養素ですね。
参照:(テキストBOOK『セルフ治療』の時代 / P44)

タンパク質

夏は暑さで食欲も低下し、あっさりした(麺類など)を摂りがちになり、どうしてもたんぱく質が不足する季節です。…イメージできますね(笑)。特に高齢者は注意が必要で、夏には、運動不足とあいまってフレイル(サルコペニア)が急激にすすんでしまう季節でもあるんです。
※たんぱく質とタンパク質の違い:たまに質問がありますが、基本的には違いはありません。一般書や教科書などには「たんぱく質」が、医療関連記事には「タンパク質」が多用される傾向にあります。

さらに、最近、新たに注目されている、夏場に不足しがちな栄養素は、食物繊維とビタミンDです。

食物繊維&ビタミンD

夏場は野菜摂取が減りがち…、云われてみれば、温野菜ほとんど摂らないかもしれませんね…、夏場の便秘も多いんです、脱水のせいもありますが、食物繊維もしっかりと補っておく必要があります。
それから最近特に注目されているのが夏のビタミンD不足、ビタミンD不足と云えば冬が定番なんですが、昨今の「紫外線対策ブーム」や「美白嗜好」の影響で、老若男女を問わず、夏にビタミンDが不足する傾向に! 日焼け止めも大切ですが、やりすぎてはいけないかもですね(笑)。
そもそもビタミンDは年中不足している栄養素なので、より意識して補っておく必要があります。…できれば定期的に血中濃度の測定をしてみてください。

夏になる前に これらを意識して、「ベースサプリメント」を、やや多めに摂っておけば、夏の不調対策につながります!

岡本医師
岡本医師

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ちなみに6/27(金)20時に質問会を開催します。